Fumi Day

荷物

タイにきたとき、荷物は大きめのスーツケース1つに、ゴロゴロが1つ。肩掛けカバンが1つで全てになっていた。

移住当初に住んだアユタヤの部屋は、いわばホテルのスイートルームみたいなトコで住むに足りないものも特になく、荷物が増えることもなかった。住人も俺ひとりだし。そもそも、ほっといたら何年も服すら買わない人間なので、荷物はそれほど増えない。バンドをやってた時にNYで嬉々として買ったCBGBのTシャツが未だに現役だったり。25年近く着てるんじゃないか。店やってる頃、カズヤさんに「いいね!」っていってもらったのは良い思い出。

そんな中、荷物が増えるとすればCDと本、あとはカメラぐらいだったのだが、これも今では電子化されてしまっているので物理的な量は増えない。ポチポチとクリックしても、電子の海で積読が増えるぐらい。カメラはもっぱらスマホカメラになってる。

しかし、今のバンコクの部屋では、荷物が爆発的に増えつづけている。爆発的に。

主には服や靴、そして大量の安っぽいおもちゃ類。全て彼女のもの。身につけるものは気がつけば小さくなっているので、うっかり買ってしまう。おもちゃは、よくあるおままごとキッチンだったり、劣悪なコピー人形だったり、ぬりえやねんどだったり。バンコクには、その手のおもちゃを売る屋台がそこかしこにあるし、コンビニにもちょこちょこと売っているので、彼女を誘惑するネタに事欠かない。昨日も買ったよ!今日は買わないよ!等といえば、めっちゃ悲しい顔したり、ギャン泣きしたりと、すっかりコチラの操作術を把握している。おかげで父さんは、日々不思議なおもちゃを買うこととなる。

部屋の片隅にはその手のおもちゃが雑然と並ぶ。お医者さんやコックさんも1ダース余裕で雇える。バーガーショップも5軒はチェーン展開可能。先日、整理用に大きめのプラスティックボックスを購入したが、あっという間に満杯になった。毎週の平日休みは園に送ったあと部屋に戻り、炊事・洗濯後におもちゃを吟味し間引くという作業を行っているが、このおもちゃはあそこで買って、こういう風に遊んでいたなぁ、こういうトコロが好きなようだなぁ、これはあっという間に飽きたなぁ、とか思ってると全く捗らない!エイヤッと捨てるしかないんだけどね。でも、気づけばまた増えている。

バス待ち

この大量のおもちゃで、いつまで遊んでくれるんだろう、と思ったりもする。その内、外の世界が彼女の世界になる時が、どうしたってくる。それまでは雑然とした部屋でもいいんじゃないか、と、気づけば半年以上にもなる彼女とふたり暮らしの部屋で思うのだった。現状、自分の時間はほとんどないけど、前にも書いた様にそれは既に必要ではない。これが、俺の生活で、自分の時間。らぶ。