パスチャライズ牛乳の憂鬱
俺は元々、やたらと牛乳を飲むのが好きだった。中学生の頃は、毎日1リットルパックを飲んでいたし、ひとり暮らしになってからも冷蔵庫に牛乳を欠かすことがなかった。それなのに、タイに来てから、なんとなく機会を逃して牛乳を飲んでいなかった。ある時ふと「あ、牛乳飲んでないなぁ。」と思ってセブンイレブンへ。タイは日本でよく見るタイプの紙パックはなくて、プラスチックボトルの製品が多い。それが大中小とそろっている、無脂肪と書いてあるものも多いが、その手の牛乳は好きじゃないので無視。
無脂肪牛乳の隣りにMeijiと書かれた牛乳が。ラベルには「パスチャライズ牛乳」と書いてあった。特に気にせずに、そのまま購入。帰宅して、飲んでみると。う、薄い。めちゃめちゃ薄い。俺が牛乳に期待していたコクとか甘みは何もなく、牛乳を水で割ったような味なのだ。様々なメーカーの牛乳が並んでいる中、わざわざ信頼してMeiji製品を買ったというのに、だ。他の製品もいくつか試してみたんだが、皆一様に薄い。とても薄い。そして不味い。俺の牛乳欲はそれ以来すっかりしぼんでしまったのだった。きっと「パスチャライズ牛乳」ってのも、なんか脱脂粉乳的なのをなんかしてフツーの牛乳とは違うもんなんだろうなぁ、と思い込んだ。後日、パスチャライズ牛乳を調べてみたら、なんと「低温殺菌牛乳」のことだった。フランスの細菌学者パス・ツールが考案した、加熱殺菌法「パスチャライゼーション」から来ているんだとか(参照)。絶対に「パスチャライズ」が悪さしてると思ったのに、そうじゃないとわかって、さらに牛乳欲がしぼんだ。すーん。
おそらく、タイ人は何にでも砂糖を入れるのが好きなので、ノーマルの牛乳よりもコーヒー牛乳とかフルーツ牛乳的な方が売りやすいんだろう。確かに商品棚にもその手の商品が溢れている。しかし、俺はコクのある牛乳が飲みたいのだよ。ここんとこ、タイは健康志向が強めなので、その内どっかのメーカーが濃い目のプレーンな牛乳を出してくれるだろうと期待している。